春は、新しい始まりの季節。暖かい陽気とともに、入学や就職、異動など生活環境が大きく変化する時期でもあります。ですが、「春になるとなんだか疲れやすい」「やる気が出ない」「体がだるい」と感じる方も少なくありません。特に4月は、体調を崩しやすい季節といわれています。
この不調の原因として注目されているのが「自律神経の乱れ」。今回は、春に起こりやすい体の不調と自律神経の関係について解説しながら、心と体を整えるための対策をご紹介します。
4月に体調を崩しやすい理由
1. 気温の変化が激しい
4月は一日の寒暖差が大きく、朝晩はまだ冷える日も多いですよね。こうした気温差は体温調整を担う自律神経に大きな負担をかけます。自律神経は、交感神経(活動モード)と副交感神経(休息モード)がバランスを取りながら働いていますが、急激な気温の変化が続くとこのバランスが崩れやすくなります。
2. 環境の変化によるストレス
新学期や新年度が始まる4月は、生活環境が大きく変わる方が多い時期です。引っ越し、新しい職場、新しい人間関係など、心理的なストレスが増えることで自律神経に影響を与え、心身の不調につながることがあります。
3. 日照時間の変化
春になると日照時間が長くなります。これは良いことのように思えますが、体内時計(サーカディアンリズム)に影響を与え、睡眠リズムが乱れる原因にもなります。睡眠の質が低下すると、心身の回復が不十分になり、結果として疲れが取れにくくなるのです。

自律神経の乱れがもたらす春の不調とは?
自律神経が乱れると、以下のようなさまざまな症状が現れることがあります:
- 倦怠感(だるさ)
- 頭痛
- めまい
- 動悸
- 胃腸の不調(便秘・下痢など)
- 不安感・イライラ
- 睡眠障害
これらは「春バテ」や「季節性の自律神経失調症」とも呼ばれることがあり、誰にでも起こり得るものです。特に真面目で責任感の強い方ほど、環境の変化に無理に順応しようとすることで、心身に負担がかかりやすい傾向があります。
春の不調を和らげるためにできること
1. 生活リズムを整える
朝は太陽の光をしっかり浴び、夜はリラックスできる時間を持つことで体内時計が整い、自律神経の安定につながります。可能であれば、毎日同じ時間に起床・就寝する習慣を意識しましょう。
2. 軽い運動を取り入れる
ウォーキングやストレッチ、深呼吸を取り入れた軽い運動は、自律神経のバランスを整える効果があります。特に自然の中を歩く「森林浴」は、心を落ち着かせるのに効果的です。
3. 食事で内側からサポート
ビタミンB群やマグネシウム、カルシウムなど、自律神経の働きをサポートする栄養素を意識的に摂りましょう。納豆、バナナ、ナッツ類、緑黄色野菜などがおすすめです。
4. 頑張りすぎない
新しいことが多く起こる4月だからこそ、「無理をしない」「完璧を目指さない」ことも大切です。疲れを感じたら、しっかり休む勇気を持ちましょう。心と体はつながっています。心に余裕が生まれると、体の調子も自然と整いやすくなります。

心のサインに耳を傾けて
春は本来、生命が芽吹き、前向きなエネルギーが高まる季節です。でも、それと同時に「がんばらなきゃ」と自分を追い込んでしまうことも多いもの。
「なんとなく不調が続くな」「最近、気分が晴れないな」と感じたら、それは心や体が発している大切なサインかもしれません。無理をせず、専門機関や相談窓口を活用するのも一つの手です。話すことで気持ちが軽くなることもあります。
おわりに
4月は、体も心もバランスを崩しやすい季節。でも、少しの工夫で乗り越えることができます。自分自身の変化に気づき、優しく寄り添う時間を大切にしてみてくださいね。
あなたの春が、穏やかで健やかなものになりますように。

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