疾患名「肩関節周囲炎」
いわゆる「肩こり」は筋肉の痛みですが、筋肉や腱の関節部に炎症が起こっているものを「五十肩」といいます。
明確な発生原因はなく、「突如発生する肩の痛み」と「肩が動かせなくなる(※)」ことが特徴です。※腕が背中に回せない、着替えや洗髪がうまくできない等
【疼痛期(急性期)】【拘縮期(慢性期)】【回復期】の3段階に分かれます。多くが自然治癒するものの、症状自体は半年〜1年程の長期に及びます。日常生活に大きく影響を与えるため、早期に施術介入が大切です。
好発
加齢による変性が原因のため、中高年に多くみられます。罹患率は全人口の2〜5%と言われます。
ATTENTION
症状が長期化した場合、関節の拘縮が発生し「痛みは無くなったけど腕が上がらない」という状態で固定してしまうことがあります。
また五十肩の中には「腱板段列」や「石灰沈着性腱板炎」などを併発している場合があります。激痛がある場合や、施術での症状が見られない場合は専門医の受診を勧めます。
施術の方針
診断
肩甲骨の可動域や筋肉の緊張状態、痛みの出る場所、各種徒手検査により原因の箇所を絞り込みます。
治療
前述の通り症状が長引きやすいので、痛みと動かしにくさの早期改善を目的に施術を行います。鍼灸治療では、消炎を目的に炎症を引き起こす箇所への刺鍼を行います。棘上筋・棘下筋・上腕二頭筋へのパルス(鍼通電)を行うことで、炎症を起こしている箇所の負担軽減と関節可動域の改善を目指します。
また痛みの出ている場所以外も、「痛みを庇う」ことで生じている筋疲労の軽減も行います。
セルフケア
痛みが強く出ている【疼痛期(急性期)】に無理は禁物です。【拘縮期(慢性期)】に入り炎症が落ち着いてきたら、痛みの出ない範囲で運動を行います。チューブトレーニングやアイロン体操などで関節の可動域の回復を目指します。
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