疾患名「足底腱膜炎」
スポーツによるオーバーユース(使いすぎ)によることが多い。中高年になると長時間の歩行や立ち仕事でも発症します。下肢のアライメント不良(回内側・回外側)や足底アーチの減少(扁平足)も原因になり得ます。扁平足では衝撃吸収能力、荷重分散能力が低下するためです。(※硬い靴でも同じことが起こるので、革靴などは注意しましょう)
頻発部位
踵骨隆起の内側突起。土踏まず付近に起こることもあります。

施術の方針
治療
炎症部(圧痛部)への刺鍼を行います。(※切皮痛が強いので注意が必要)足底筋膜炎の柔軟性を確保するために、下腿の筋(下腿三頭筋・後脛骨筋・長腓骨筋)の緊張を緩めてあげることも効果的です。また治療と同時に、外的要因(オーバーユースなど)への対応と内的要因(足底筋膜の柔軟性低下、扁平足など)の改善を並行して行うことが重要です。
セルフケア
運動量をコントロールし、できるだけ安静にすることが大切です。またやわらかい靴底へ変更することも効果的。インソールなども用いて足底への負担を減らしましょう。
下腿の筋のストレッチも有効です。また、「タオルギャザー」を行い足部固有筋のトレーニングにより足底アーチの挙上を目指しましょう。

臨床ケース
60代男性。革靴で長時間の歩行。本人は「原因不明の痛み」と認識していたが、おそらく加齢に伴い下腿の各筋肉の柔軟性低下と長時間歩行の習慣が重なったことにより発症。下腿三頭筋および後脛骨筋を整体と鍼で緩めた。また「歩く量を減らすこと」と「革靴からウォーキングシューズへの変更」を提案。疼痛が発生してから来院までの期間が短かったこともあり、施術効果も高く短時間で痛みは消失した。
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